半導体用語集

ストレスマイグレーション

英語表記:stress-induced migration

LSIの金属配線が微細になるとともに、配線とその上下をカバーしている絶縁層との熱膨張係数の差により、温度を上げた時ストレスが発生し、配線が断線に至ることがある。これをストレスマイグレーションと呼んでいる。モードとしては、スリット状に断線するものや、くさび状にボイド(空洞)が発生するものである。くさび状だと断線してはいないが、この部分の電流密度が増え、エレクトロマイグレーションなどで断線する危険が大きい。Alの熱膨張係数は約23 ppm/℃、 Siの熱膨張係数は3.3 ppm/℃であるから、加熱昇温時にAlに圧縮応力が発生し、降温時に引っ張り応力が発生する。多層配線の層間絶縁膜には400~500℃の温度でプラズマCVD法により堆積したシリコン窒化膜 (Si3N4) あるいはシリコン酸化膜 (Si02) あるいはシリコン酸窒化膜 (SiON)が用いられるが、これらの膜はSi基板やAl配線と熱膨張係数が異なるため、堆積時の高温状態で圧縮応力によるヒロック発生で緩和されたAl配線を常温に戻すと引っ張りの熱応力が発生する。銅配線はAl配線よりストレスマイグレーション耐性が大きいと言われている。


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