半導体用語集

スライシング

英語表記:slicing

シリコンを円柱状の単結晶のインゴットから円盤状のウェハに加工する最初の工程である。スライシングは切断機(スライシングマシンあるいはスライサと呼ばれることが多い)を用いて行われ、ウェハの直径にもよるが、おおむね1mm程度の厚さに切り出される。シリコン結晶の切断加工では一般的にまずバンドソーを用いて他の精密切断機にセットしやすい大きさ(長さ)に切断し、その後に1枚1枚のウェハに切断することが多い。ウェハへの切断は、枚葉切断方式である外周刃ソー、内周刃ソーが、一括切断方式であるマルチワイヤソーを用いるが、今日では切断制度にきわめて高度なものが要求されるようになっているため、主に直径200mm以下では内周刃ソー、直径200mm以上のウェハの切断ではマルチワイヤソーが用いられることが多い。シリコンウエハの形状特性の一つである「そり」はウェハの直径と無関係におおむね数10μm以下にすることが規格上求められているが、「そり」の量と形はほぼこのスライシング加工で決定されてしまい、以降の工程ではほとんど修正されないため、この工程の精度管理は思いの他重要である。スライシング加工そのものとは直接関係ないが、ここであえて切削残滓についても触れておく。スライシングやラッピングを生じるシリコンの残滓は高純度シリコンの微粉末になっており、多くの場合に切削時に冷却水として用いた水と一緒に装置から排出・回収される。シリコン自体は一見非常に安定な物質にみえるが、実際に安定なのは酸素と結合したに酸化シリコンであり、金属様のシリコンはその表面が環境雰囲気中の酸素と反応しに酸化シリコンになり、その二酸化シリコンが保護膜として働くために安全な物質のようにみえるのである。ところが、切削残滓である微粉末はその総表面積が体積にくらべて著しく大きく、かつ破断されたばかりの新鮮な面である。このため、排出・回収した残滓が周囲の水と反応して酸素を奪い、結果として意外と大量の水素ガスを発生する。この現象はとかく見逃しがちであって、不適切な対処が思わぬ爆発事故に繋がる点に注意を喚起しておきたい。


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