半導体用語集

スーパーコンピュータ

英語表記:supercomputer

 スーパーコンピュータとは数値演算を高速に処理するための特殊で高価なコンピュータで、高速化のためにパイプライン制御や並列演算、ベクトル演算などのハードウェア機構を持っている。スーパーコンピュータの計算能力を表わすのには通常FLOPS(Floating point Operation Per Second,1秒間に演算できる浮動小数点演算の数)が使われる。現在ではGFLOPS(Giga FLOPS : 10億FLOPS)からTFLOPS(Tera FLOPS テラフロップス:1兆FLOPS)のオーダまでになっている。その高速性を活かし、膨大な計算が必要となる原子力開発、分子構造解析、機械工学(車の衝突シミュレーション)、流体力学(スペースシャトルなどの高速輸送体開発における空気抵抗の計算)などの分野で使われている。
 この高度な演算能力は、高速なプロセッサを複数使う並列処理、ベクトル演算、プロセッサユニット・メモリユニット・外部ネットワーク間の非常に高速な転送技術によってなりたっている。並列処理の仕方で分類すると、(1)性能の高いベクトルプロセッサを数100個用い、それぞれにメモリを持たせる分散型、(2)性能の高いベクトルプロセッサ数10個を用い、メモリを共有する共有メモリ型、(3)比較的性能の低い汎用のスカラプロセッサを数1,000個並べるMPP(Massively Parallel Processor)型に分けられる。
 使用される半導体も以前は高速だが高価で消費電力の大きな化合物半導体がプロセッサやメモリにも用いられていたが、現在では並列度の向上、パイプラインやインタリーブネットワークなどの高速なデータ転送技術の進歩によって、比較的速度の遅いCMOS技術を使った半導体を使用し、全体での小型化、低消費電力化を図っている。

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