半導体用語集

ダイパッド

英語表記:die-pad

 リードフレームのICパターンの中で,チップを搭載するために設けられた領域のこと。
 ダイパッドは一般的に矩形をしており,吊りリード(ダイパッドサポートともいう)と呼ばれるリードにより外枠に固定されている。吊りリードの形状は,ダイパットの4頂点に接続されたものや,ダイパットの向かい合う2辺の中心に設けられたものが代表的で
ある。ダイパッドが大きい場合は,それを固定するために,さらに補強用の吊りリードを別の位置に設けることもある。
 ダイパッドおよび吊りリードの設計では,樹脂封止工程において受けるカを考慮し,ダイパッドの変位変形が起こらないようにする必要がある。また,封止樹脂とリードフレームの熱膨張率の違いにより発生する応力に起因したフレームのそりを防止するため,吊りリードの周辺は応力を吸収するような構造に設計することが重要である。ダイパッドと,リードや外枠部分との間で,プレスにより垂直方向へ段差を設けることがある。これはパッケージの断面構造上,チップ部の上下樹脂厚さを均一化して樹脂充填性を高めたり,ワイヤボンディング時のインナリードとボンディングパッドとの段差を調整したりする目的がある。リードフレーム製造工程にてこのような段差を設けることをディプレスという(ダウンセットともいう)。
 リードフレームのダイパット裏面部と樹脂間の密着強度低下がしばしば問題になる。これはリードフレーム素材金属と樹脂との密着強度が,組立工程の熱履歴を受けることにより低下するためで,特に素材表面が酸化しやすいCu材は顕著である。ダイパッド裏面と樹脂の界面の剝がれは,リフローエ程においてパッケージクラックを引き起こすこともある。そのため,ダイパット裏面にディンプルと呼ばれる半円形の溝をハーフエッチングによって設けたり,スリットと呼ばれる細長い溝を設けたり,というダイパット設計面からの対策を採用することもある。


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