半導体用語集

チャージアップ

英語表記:charge up

1.イオン注入
 イオン注入中にウェーハ上の絶縁物などが帯電すること。このため素子がイオン注入中に劣化したり破壊されたりすることがある。これを防ぐためにエレクトロンフラッドガンやプラズマフラッドガンが設けられることが多い。

2.リソグラフィ
レジストを露光する電子ビーム自身、電子ピームが基板やアパーチャなどに衝突したことで発生する二次電子や散乱電子によって, 装置内の絶縁物に電荷が蓄積する現象をチャージアップと呼ぶ。チャージアップは、ビーム軌道を変化させるなどして試料面上でのビーム位置誤差やビームサイズ変動などが発生するため、描画精度を低下させる大きな要因の一つである。チャージアップを起こす絶縁物としては、レジスト、装置内で使われるセラミックスなどの絶縁材料、装置内の有機物が電子ビームによって励起分解されて堆積成長するカーボンコンタミネーションなどがある。レジストは絶縁物であるが、通常描画で使われる10~50keVの電子ビームは、1μm程度のレジストは容易に貫通して下地膜に達する。下地膜の接地を適切に行えば、特に問題とはならない。しかし、位相シフトマスクで石英基板上に直接レジストが塗布される場合などは、導電膜と呼ばれる導電性ポリマーの膜をレジスト上に塗布し、これを接地することでレジストのチャージアップを防いでいる。装置内の絶縁材料のチャージアップ防止はビーム軌道から直接絶縁膜が見えないようにカバーをするなどで対処している。 装置内に堆積成長するカーポンコンタミネーションのチャージアップは, 装置の真空度をよく してコンタミネーションの成長を遅らせる。さらにin-situ洗浄によって定期的に装置内を洗浄する方法などがとられる。


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