半導体用語集
プロセス温度
英語表記:process temperature
システムLSIなどに搭載する場合、CMOSなどで構成されている周辺回路との整合性を向上するためには成膜温度の低減が必要となる。また、 STC適用や強誘電体/電極の界面状態を良好に保ち特性を向上するためにも成膜低温化は有効となる。材科から見ると現状ではSBTよりPZTの方が低温化は進んでいる。SBT、PZTとも材料の持つ特有の結晶化温度としては500℃前後と低いものである。しかし、実際にはもっと高い温度を加えなければ結晶化が起こらなかったり十分な特性がえられなかったりする。この温度はプロセス依存性が非常に大きい。成膜プロセスを改善することにより成膜温度の低減は可能である。たとえばゾル・ゲル法を例にとると、結晶化のアニール条件により必要なアニール温度も大きく変化する。ゾル・ゲル法は有機金属溶液を塗布し、有機成分を除去して強誘電体薄膜を形成する。
通常、仮焼成として400~450℃の有機物除去アニールを行う。しかし、この温度では十分に有機物は除去できていない。温度を高くしすぎると結晶化が始まってしまい仮焼成の意味がなくなってしまう。このように膜中の残留有機成分が多いと、結晶化が阻害されるため成膜温度が高くなってしまう。そこで、減圧アニールにより有機物の除去効率を上げ、結晶化温度を下げることが可能である。このように、プロセスや原料などの改良により低温成膜化は可能である。
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