半導体用語集
マスク寸法
英語表記:mask dimension
マスクパターンは、光リソグラフィ工程で用いるステッパの縮小率が1/4 あるいは1/5であることから、デバイス設計パターン寸法の4あるいは5倍に拡大されて形成される。このようなマスクパターンを寸法管理するうえで重要な項目がパターンの幅、パターンの間隔、パターンの位置などであり、これらを指してマスク寸法と呼ぶことが多い。これらのマスク寸法の設計寸法に対する忠実性はマスク寸法精度と呼ばれ、パターンの線幅などの寸法精度とパターンの位置精度の二つに分けることができる。パターン寸法精度は、マスク内パターン寸法の設計値からのすれの平均とばらつきで管理される。たとえば設計値からのずれの平均は土10 nm以内、設計値からのずれのばらつきは土15nm以内というように示される。 さらに、設計寸法と実マスクパターン寸法との誤差の設計寸法依存性示すリニアリテイも規定される。リニアリティは主に描画装置とレジストの解像力に起因しており、設計パターン寸法が小さくなるにつれパターン寸法の設計値からのずれが大きくなる。パターン寸法精度は、光学顕微鏡に測長機能を持たせた装置などで測定される。パターン位置精度は、設計上のパターン位置に対してマスク内のパターン位置がどれだけ伸縮しているかを示す倍率とXY直交度、そしてこれらを除いた残留位置誤差で管理されている。たとえば、倍率は士1ppm以下、直交度は士1ppm以下、残留位置誤差は3σ= 15nm以下というように示される。パターン位置の測定は、レーザ干渉計により位置測定可能なXYステージ上にマスクをのせ、そのマスクのパターンエッジを検出することでマスクパターンの位置座標を測定する座標測定機が使われる。さらに、マスク寸法を管理するうえで重要な項目として、パターン寸法精度とパターン位置精度の中間的な意味合いを持つつなぎ精度とがある。マスク描画においても、マスクパターンはストライプに分割されて描画されるため、ストライプとストライプの境界には必ず位置ずれが生じる。このストライプ境界でのパターン接続の善し悪しをつなぎ精度と呼び、この程度によってパターンには段差や突起、くぼみが現われる。つなぎ誤差は、3σ= 15nm以下というように示される。
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