半導体用語集

マーキング

英語表記:marking

 パッケージ表面にメーカーロゴ,製品名,生産国,ウィークリィコード,ロットトレースコードなどの意匠を表わす文字や絵を刻印する工程。半導体製品の場合,客先から提出されたメーカロゴを入れるが,メーカーロゴの形状,大きさが様々であるため,現在,実に数万種類の意匠が存在する。ロットトレースコードは最近導入されつつあるもので,不良解析と不良回収を目的としたものである。マーキングの主目的は,製品名の表示とロットトレーサビリティの付与にあるが,印字により半導体製品の外観の質を高めたりする役目や,目立つロゴマークを使った広告の役目もあるといえる。
 マーキングの方法は大別して,インクマークとレーザマークに分けられる。インクマークは,版を用いてエポキシ樹脂やウレタン樹脂のインクをパッケージ表面に転写する方法である。インクマークは,視認性が非常によい長所の反面,版を必要とするためロットトレースコード付与には向かない欠点がある。また,樹脂や光沢のある素材にマークする際は密着性の点で注意しなければならない。
 レーザマークは,樹脂表面をレーザで焼いて視認性をえるものである。インクマークに比較すると視認性は劣るが、生産性が高く,また印字が簡単に消えないという長所を持っている。また,プログラマブルといわれるレーザマーカは,コンピュータのプログラムだけで意匠を変えられるため,ロットトレースコードの付与に適している。
 半導体製品のレーザマークにはCO₂レーザ,YAGレーザが一般的に用いられる。また,マスクや走査の方法で分類すると,固定マスクタイプ,拾い文字タイプ,液晶マスクタイプ,ペンタイプなどがある。このうち液晶マスクタイプとペンタイプは,プログラムで瞬時に意匠を変えられるため,ロットトレースコード付与に適した方式であり,特にペンタイプは装置が安価で小型であり,今後のレーザマークの主流になる方式と考える。
 マーキングの組立プロセス中における工程の順序であるが,客先と意匠が決まっているカスタム製品については,T/F工程の前後で行うのが一般的である。これはめっき工程で用いる薬品により,インクマークが劣化するのを防止するためである。またファイナルテストでの動作スピードにより意匠が変わるメモリ製品や高速ロジック製品については,テスト工程後に行う。


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