半導体用語集
モールド樹脂
英語表記:molding compounds
トランスファモールドなどの金型を用いた成形に使用される封止樹脂。成形前の常温の状態では固形である。半導体パッケージの封止に用いられるモールド樹脂は熱硬化性樹脂(thermosetting resin)と熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)の2種類である。熱硬化性樹脂は加熱すると溶融し,さらに加熱を続けると樹脂の高分子反応(網状構造)が進行し,硬化すると再溶融しない樹脂である。一方,熱可塑性樹脂は,加熱すると軟化し,塑性変形を起こすようになり,冷却すると可逆的に硬化する樹脂である。
熱硬化性樹脂は,耐熱性,耐溶性に優れ,充填材を入れて強靭な成形物をえることができる。半導体素子の封止に用いられる樹脂の主流は熱硬化性樹脂であり,代表的なものとしてエポキシ樹脂(epoxy resin)やシリコーン樹脂(silicone resin)があげられる。
熱可塑性樹脂は,射出成形によって効率的に加工できるという長所を持つが,耐熱性や耐溶性は熱硬化性樹脂より劣っている。代表的なものとしてダイオードやトランジスタなどの半導体素子の封止に用いられているPPS樹脂(Poly Phenylene Sulfide resin)があげられる。
モールド樹脂の主流であるエポキシ樹脂(epoxy resin)の代表的な組成は,主剤のエポキシ樹脂,硬化材,充填材(filler),触媒(硬化促進剤),カップリング材,離型材,難燃材,着色材などから構成される。
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