半導体用語集

ラスタ走査

英語表記:raster scan

ビームを一次元方向に一定長で電気的に繰り返し走査することをラスタ走査と呼ぶ。パターンの描画は、ラスタ方向と直交する方向に試料を連続的に移動させ、図形のある部分のみでビームをonすることで行う。試料を移動させて、ビームの走査幅の帯状領域(ストライプやフレームなどと呼ぶ)の露光が完了すると、ステージビームの走査方向にステップ移動させ、隣のストライプを同様に完了する。これを繰り返すことで試料全面の露光を行う。ラスタ走査で用いるビームとしてはガウシアンビームが代表的だが、走査方向と垂直方向のみにビームを可変できる一次元成形ビームを使った例もある。ガウシアンビーム(スポットビーム)/ビスタ走査/ステージ連続移動の描画方式を採用した電子ビーム描画装置の代表例はETEC社のマスク描画装置MEBESシリーズである。この装置は、AT&TBell研究所で開発されたEBESをベースとした描画装置である。特徴としては、システムがシンプルでメンテナンスが容易、広範囲をビームで走査する必要が無いためレンズや偏光の収差が少ない。描画パターンの白黒反転が容易などがあげられる。ただし、パターンを丸ビームで塗りつぶす方式のためデータの微細化に伴いに、ビーム走査のインクリメントを細かくするとスループットが著しく低下する。これがこの方式の欠点である。


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