半導体用語集
二次欠陥
英語表記:secondary defect
一般に結晶成長時や素子製造過程で結晶に導入される点欠陥や不純物原子を一欠陥、これらの点欠陥が原因となり、その後の熱処理で集合・成長して形成された結晶欠陥を二次欠陥と称している。CZ-Siの結晶成長時には条件により空孔または格子間シリコンが優勢となった領域に、grown-in欠陥としてLSTDなどの空洞欠陥、R-SF、AOP、転位ループ、転位クラスタなどが発生し、これらは二次欠陥として分類できる。FZ-Siの二次欠陥にはA欠陥、B欠陥、D欠陥がある。これらの欠陥は、as-grownの状態では検出が困難なものが多く、現像熱処理やCuデコレーションを施して評価が行われる。二次欠陥を構成する点欠陥を同定するには、共有結合半径の異なる不純物の添加による結晶格子定数の変化を補償するように点欠陥が発生する現象を利用し、この点欠陥が二次欠陥に及ぼす変化から知見をえる方法がある。CZ-Siに過飽和に固溶した格子間酸素(一次欠陥)が析出した酸素析出物もまた、二次欠陥である。したがって酸素析出物の成長に伴って発生する転位ループ、パンチアウト転位、パンチアウト転位複合体、バルク中の積層欠陥は、いわば三次欠陥である。イオン注入やプラズマプロセスでは点欠陥が損傷として導入され、これらが変化した二次欠陥として転位双極子や転位ループが二次欠陥として生じる。
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