半導体用語集
位置ずれ
英語表記:Misalignment
ICを基板に実装する際に位置がずれた状態ではんだ付けが行われる状態。主に表面実装を行う場合に問題となる。位置ずれが生じると,リード,あるいはボールとランドの間の接続が正常に行われず,導通不良や,実装強度,疲労破壊といった接続信頼性の低下を招く原因となる。
位置ずれが生じる原因としては,位置がずれた状態で搭載された,リフロー工程への搬送中の振動によりICの搭載位置がずれた,リフロー時にフラックスによりICが動かされた,リフロー時の基板のそりやねじれによってICがずれた,といったことがあげられる。搭載については,装置の位置決め精度,また位置決めのアルゴリズムが問題となる。より高い位置決め精度を持った装置,アルゴリズムを使用し,ICを正確な位置に搭載することが必要である。搬送中の振動については,振動を少なくすることが必要なのはもちろんであるが,はんだペーストの粘着性不足や搭載時の押しつけ圧力不足も原因となりうる。使用する基板やICに対して適正なはんだペースト,また搭載時の条件を設定する必要がある。フラックスによるずれについては,はんだペースト中のフラックスの含有量が多いために起こるものであり,適正なはんだペーストの使用が必要である。基板のそり,ねじれによるずれは,特に薄型プリント基板の場合に起こりやすく,さらに,はんだ接合部に歪を残す結果ともなる。この対策としては基板とICの熱膨張係数を合わせることが望ましいが,実際には難しい。したがって,接続部分にフレキシビリティを持たせることが重要である。位置ずれをまったくなくすことは困難であるが,許容できる限界値を明確にし,許容値内で管理することが信頼性を維持するうえで重要である。
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