半導体用語集

化学的機械研磨

英語表記:CMP : Chemical Mechanical Polishing

CMPは基板表面の段差を全面平坦化する技術で、基板表面をプラテンと 呼ばれる回転する大口径平板上の研磨布に一定圧力で押しつけ、スラリーと呼ばれるpHを制御したアルミナなどの砥粒を含む化学的な研磨剤で研磨するものである。原理はプレストンの式で記述できる機械的研磨レートと化学反応による工ッチングの合成の作用である。機械的研磨レートは、R= k・p・vで表わされる。ここで、kはプレストンの定数、pは基板上の圧カ、vは回転する基板上の各点の相対速度、をそれぞれ表わす。基板全面の各点が一定の相対速度を得るために基板が自転し、プラテン上を同一、方向に公転する機構が採用されている。基板の圧力が大きいはど、回転速度が大きいほど研磨レートが大きくなる。化学的には基板表面層をスラリーの化学反応により変質化し砥粒を用いて回転除去する。シリコン酸化膜(Si02)のCMPはKOHなどのアルカリでpHを制御したコロイダルシリカのスラリーでSi-0-Si結合を切り、 Si(OH)4化することで化学的な研磨が進む。メタルのCMPはタングステン(W)が最初に実用化され、K3Fe(CN)6/KH2 P04酸性液にアルミナあるいはシリカの砥粒を入れたスラリーで研磨する。スラリーにアルカリ金属や鉄などが含まれるためCMP後の洗浄が汚染防止のために重要である。LSIの微細化と多層配線技術の高度化により、表面段差が激しくなり、露光焦点深度の限界を越えるようになったため基板全面を均一に平坦化する技術として実用化された。


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