半導体用語集

固相拡散

英語表記:solid-phase diffusion

固相拡散は、P、As、Bなどを含んだガラス(ドープトオキサイド)または poly-Si (ドープトボリシリコン)を、Si基板上にCVD法で一度堆積した後に、拡散炉中で900~1,000℃の温度で加熱することによって、その堆積物から不純物をSi基板側に拡散する(ドライブイン)ことによってなされる。拡散源が固体状態であるので、固相拡散と呼ばれている。気相拡散の場合と異なり、CVD法による堆積物の成長は、不純物の基板中への拡散が生じにくい程度の低温でなされるために、気相拡散よりも不純物の拡散の制御がしやすい長所がある。以下に、ドープトポリシリコンを用いた拡散の具体例について述べ、ドープトオキサイドを用いた拡散については、「ドープトオキサイド」の項で述べる。Si基板上に拡散のマスク材として酸化膜を形成した後、被拡散領域の上方部の酸化膜を除去し、開口部を設ける。次に、CVD法を用いてAsまたはPを含んだpoly-Siを700℃程度の温度で成長した後、1,000℃程度のドライブイン温度でSi基板側にAs、Pの不純物を拡散させ、バイポーラトランジスタのエミック領域を形成する。ドライブインは酸素雰囲気中で行われるのでpoly-Siの表面が酸化されてSi02が形成され、このSiO2が不純物の外方拡散を防いでいる。この方法はDOPOSと呼ばれ、比較的低温のドライブイン温度でもエミッタ部へ高濃度の不純物を拡散できるので、べース領域を浅く保つのに適している。ドープトポリシリコンはそのまま電極として使われる。


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