半導体用語集
イオン注入
英語表記:ion implantation
イオン注入は、半導体で広く用いられているドーピング法の一種である。注入が用いられる以前の不純物ドーピング方法には、電気炉の中で不純物を含む気体から拡散する気相拡散、あるいは不純物を含む薄膜を表面に堆積して熱処理を行うことにより基板内に熱拡散する固相拡散があった。現在のシリコンLSIプロセスにおける不純物ドーヒング法のほとんどがイオン注入に置き換わっている。その理由は、他のドーピング法にくらべて、圧倒的に精度が高い、特に超低濃度の制御が可能である。室温でレジストマスクで選択的にドーピングが可能であるなどイオン注入以外では、不可能である非常に優れた点を持っていることによっている。原理は、イオンソースでプラスイオンを生成し、電界を加えて引き出 し、分析マグネットで必要なイオンを分離して、必要な加速エネルギーまで静電的に加速を行い、シリコンウェハ上に走査することで、均一に導入する。走査の方法には、電界で操作する方法、磁界で操作する方法、機械的に走査する方法がある。低いドーズ量の場合の装置は、水平方向は電界走査+垂直方向は機械的走査のハイプリッドタイプの枚様式の場合が多い。従来ウェハ径が小さい時代は、角度走査と呼ばれる方法で、ウェハ内に注入角度誤差が、土3。以上ある方法が用いられたが、近年は、ウェハの大口径化、微細化に従い平行ビームが要求される。高ドーズを注入するための高電流装置の場合には水平方向、垂直方向ともに機械的走査のバッチタイプがはとんどである。この場合には一方向の走査について、円板に10から25枚程度のウェハを装着して回転する方法を採っている。
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グローバルネット株式会社
名大、林 慶祐 堀田 昌宏(本件に関わる問合せ先)
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