半導体用語集

塩酸酸化

英語表記:HCl oxidation

<p>酸化膜中の正イオンのゲッタリングや酸化膜界面準位あるいは結晶欠陥の低減のために、酸化雰囲気に無水塩酸や塩素ガスを数%添加することが行われる。Si表面のある種の不純物が蒸気圧の高い塩化物として取り除かれる効果もある。その結果、酸化膜の絶縁耐圧を改善できる。塩酸酸化で成長した酸化膜あるいは界面には塩素原子が混入する。</p><p>塩酸と酸素は次式の反応により水を生じる。</p><p>
4HCl+02 → 2H20+2C12</p><p>塩酸酸化の酸化速度は単純に生成される水分の分圧では説明できないはど大きくなる。また、塩素ガス添加の方が酸化速度は大きくなる。これらのことは、塩素イオンが酸化反応を促進することを示す。その効果は添加する塩酸や塩素の量が数%までは大きいほど、また温度が高いほど顕著である。</p><p>この他、トリクレン蒸気を用いても同様の効果がえられる(トリクレン酸化)。トリクレンは塩酸にくらべても安定で取り扱いやすいため、生産現場にはより適しているとの考えもある。トリクレンは室温で液体であり、石英バブラに入れて、酸素や窒素ガスをキャリアガスとして酸化反応管に送る。トリクレン蒸気の量はバブラの温度で調節する。トリクレン酸化の場合にはわずかに炭素も導入されるため、シリコンカーバイド起因の欠陥発生に注意が必要である。</p>


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