半導体用語集

外装処理

英語表記:lead finishing

 外装処理は半導体パッケージのアウタリードを被覆する工程。目的は,基板実装のためのはんだ濡れ性(ソルダビリティ)を与えることにある。また,腐食雰囲気においてもリードが簡単に錆びないようにする防錆性を与えることも大事である。外装処理は,大別して二つの方法がある。一つははんだめっき, もう一つははんだディップである。はんだめっきは,リードフレームを陰極側に導通し,陽極側に設置したはんだ合金を析出させるものである。厚さが均ーに管理でき,ファインピッチのリードにも対応できるメリッ卜があるが,前処理を含め大がかりな設備を必要とする。一方,はんだディップは,リードをフラックスに浸漬した後,溶融したはんだ槽に浸漬する。膜厚が均ーに付かず,リードピッチ1mm以下ではリード間でブリッジが発生するため,ラフなピッチの製品にしか適用できないが,設備が簡単で投資は少なく,ランニングコストもはんだめっきより安い。なお,はんだディップでつけた被膜は,はんだめっきでつけた被膜よりも濡れ性が悪い。これはディップのはんだに不純物が混ざっていることと,膜厚が均ーでないこと,そして製品群の違いによリディップ製品の方が乱雑に扱われていることに原因がある。
 はんだめっきおよびはんだディップで使用される材料は,スズ-鉛(Sn-Pb)はんだが主流である。スズ-鉛はんだは,現在電気接合材料の主力として用いられているスズ-鉛はんだに対する濡れ性が非常によく,実装信頼性が高い材料であり,また防錆性,延展性に優れ,かつ安価という非常に優れた材料である。またはんだめっきにおいてはスズと鉛の標準電極電位が近く,均ーに析出するため,陽極に用いるスズ鉛合金の組成を変えることで被膜の組成を管理できるという大きな利点がある。環境保護の面からまったく鉛を使わない新しいめっき材料,ディップ材料の検討を半導体業界全体で始めている。今後,鉛を用いない新しいはんだ材料が主流になっているものと予想される。


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