半導体用語集

大面積化

英語表記:enlargement Of the exposure field

露光領域を拡大し、広い面積の露光を可能とすること。EUVリソグラフィの原理検証段階においては2枚の球面ミラー構成のシュバルッシルト型光学系が転写実験に用いられた。シュバルッシルト光学系は最小の2枚ミラーの構成で収差を低減できる光学系として優れているが、収差の小さい領域は軸上の数10~数100μm程度に限られる。したがって、実用的なチップサイズを露光するにはこの露光領域の大面積化を図る必要がある。シュバルッシルト光学系での解像性の原理検証に続いて、リングフィールドを持つオフナー型光学系あるいは2 枚非球面ミラー光学系で大面積露光への取り組みがなされた。大面積化を実現するためには非球面の採用が必須であり、かっ、波長が短いぶんミラーに要求される精度も非常に高精度になり、回折限界性能をえる光学系に要求される波面収差λ/14以下を13nmでえるためには、ミラーの形状精度はオングストロームオーダになる。設計では非球面ミラーを2枚~ 6枚用いて NAO. 1~0.2程度のものが提案されている。大面積露光のためには、これらリングフィールドを持つ光学系のみならず、大面積を照明可能な照明光学系が必須である。照明光学系においては、照明領域と強度の確保、NAのマッチング、照明ムラの低減などを考慮する必要がある。2枚非球面ミラー光学系では,マスク上でNAマッチングを図ったスポットビームをリングフィールドに沿ってスキャンする大面積露光用の照明光学系の採用により10mm角の領域のスキャン露光に成功している。実用的な照明光学系には、光リソグラフィで用いられるオプティカルインテグレータなどの光学素子の開発が必須である。


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