半導体用語集

平行平板型

英語表記:parallel plate type

二つの平板電極を平行に設置し、 一つの電極を接地し、他方の電極にコンデンサと整合器を介して高周波を印加する。接地した電極が陽極となり、高周波を印加した電極が陰極となる。したがって、二つの電極間は、コンデンサとして作用するので容量結合型平行平板型プラズマ装置という。高周波によって生成された電界により電子が加速され、電子とガスとの衝突電離によってプラズマが発生する。プラズマが生成されるとイオンより移動度が約1,000倍大きい電子が陰極に到達し、陰極が負に帯電される。その電位によって正の電荷を持つイオンが引き寄せられる。陰極には、コンデンサが接続され電気的に絶縁された浮遊状態になっているため、高周波の数サイクル後には、過剰な電子の流入が抑えられて正イオンと電子とが等量に流入する状態にて定常状態に達する。この時、陰極上部にはイオン密度が高いシースが生じる。13.56MHzの高周波においては、イオンが電界に追従できないので、シースに生じた直流成分の電圧 (自己バイアス)によってイオンは加速される。陰極に基板を設置すると自己バイスによって加速されたイオンがウェハに衝突して基板のエッチングが生じる。陽極では、電位降下が小さいために、イオンエネルギーが小さい。
したがって、薄膜堆積プロセスなどでは陽極に基板を設置する。
容量結合型平行平板型プラズマ源において、平行平板電極の間隔をlcm程度に狭くして数paから数10 Paの高圧力でプラズマを生成させたプラズマ源を、ナローギャップと呼ぶ。放電空間が狭いので電子の消滅が大きく、
放電維持のためにプラズマ電位が上昇し、イオンの衝撃によって電極から放出されるγ作用によって生じる電子が加速されてガスの電離に寄与している。上部電極にプラズマ生成のための高い周波数を印加し、下部電極にイオンエネルギーを制御するために、比較的低い周波数を印加する構造を有したプラズマ源を2周波励起型と呼ぶ。たとえば、上部電極に40MHz以上の高周波を印加して、下部電極に800 kHz前後の低周波を印加する2周波励起型プラズマ装置が、酸化シリコン薄膜などのエッチング用に開発されている。


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