半導体用語集

指数分布

英語表記:exponential distribution

 故障率が一定の場合に適用できる分布である。すなわち,バスタブ曲線での偶発故障期間に適用できる。故障が偶発的に起きることと,故障率が一定であることは数学的にも厳密に対応がある。この対応は、ポアソン分布と指数分布との対応で表現できる。ある一定期間に起きる故障数で表現するとポアソン分布となり,故障の起きる時間間隔で表現すると指数分布となる⋆。
 半導体デバイスの場合にも,出荷後ある期間を経た後は故障率一定とみなして適用することが多い。ワイブル分布で形状パラメータmが1の場合にこの分布になる。信頼度関数と累積分布関数を図1に,確率密度関数を図2に示す。故障率関数は一定なので示さない。

⋆ 指数分布とポアソン分布の関係は次のとおりである。
 ポアソン分布は偶発的に起きる現象に対して適用できる離散型の確率分布で,その現象の発生確率P(r)は,発生件数をr,平均発生件数をmとすると,図3のように表わせる。平均件数により分布が変わる様子も示してある。発生件数毎の確率を縦棒で,参考までに,それを連ねた線を曲線で示してある。この分布は,ある面積にある時間内に当だるα粒子の数,1枚のウエハ内に偶発的にできる欠陥の数と,一定時間内に起きる現象にも一定空間内に存在する現象にも当てはまる。
 これを偶発故障現象に当てはめる。故障時間は指数分布に従い故障率はλである。時刻0からある任意の時刻tまでの,平均の故障件数は m=λt である。その時間の間にr件の故障が起きる確率P(r)は図3の式に代入して,P(r)=(λt)r exp(-λt)/r!となる。ここで信頼度を考える。信頼度は時間 tまで故障しない確率である。これはP(r)で,r=0とおけばよい。すなわちP(0)=exp(-λt)である。これを時間の関数とみれば、図1の指数分布の信頼度関数そのものである。


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