半導体用語集
整流特性
英語表記:rectifying characteristic
印加するバイアス方向により抵抗値が異なり,一方向のみに電流が流れる電気的特性のことである。pn接合やショットキ接合などが整流特性を持つ。
(1)pn接合の整流特性
pn接合のp型半導体に正バイアス,n型半導体に負バイアス印加(順方向バイアス)すると,低抵抗状態となり電流が流れる。逆に,n型半導体に正バイアス,p型半導体に負バイアス印加(逆方向バイアス)すると,高抵抗状態となりほとんど電流が流れない。これは,pn接合が形成されると,n型半導体とp型半導体のフェルミ準位が同じレベルとなるため,pn接合部にフェルミ準位の差分だけ拡散電位障壁が生ずる。順方向バイアスの場合,この拡散障壁が小さくなり電流が流れやすくなる。この時の電流が順方向電流であり,中性p領域および中性n領域の電子と正孔の再結合による拡散電流と空間電荷領域における再結合電流の和となる。逆方向バイアスの場合,拡散障壁が大きくなり,電流が流れなくなる。この時の電流が逆方向飽和電流であり,空乏層中で発生する生成電流と中性p領域および中性n領域で発生する拡散電流の和となる。
(2)ショットキ接合の整流特性
金属と半導体を接合したショットキ接合では,金属の仕事関数と半導体の電子親和力の差が電位障壁となる。この電位障壁がキャリアに対する電位障壁として働く場合,ショットキ接合は整流特性を示す。ショットキ接合の電流は,金属側から半導体側に流れるキャリアによる電流と,半導体側から金属側に流れるキャリアによる電流の差が,ショットキ接合に流れる電流となる。ショットキ接合にバイアスを印加すると,金属側の障壁は不変で,半導体側の電位障壁が変化するため,半導体側から金属に流れる電流値のみが変化する。順方向バイアスの場合は,半導体側の電位障壁が小さくなるため半導体側から金属に流れる電流が増加する。逆方向バイアスを印加した場合は,半導体側の電位障壁が大きくなるため,半導体側からの電流が減少する。
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