半導体用語集
斜入射照明
英語表記:off—axis illumination
通常照明法では、照明系絞りを通った光がマスクを通過した際に、0次、土一次の回折光が発生し、これら3光束が瞳を通り干渉することにより像が形成される。斜入射照明は、照明系絞りの形状を変え、マスクへの照射光を斜めから照射することにより、たとえば0次、プラス一次の回折光が瞳を通り、マイナス一次は瞳から外れ、したがって2光束により干渉させ像を形成する方法である。 基本的には、通常照明も斜め方向の光は含まれており、斜入射照明は、 斜め方向の光の割合を調整している露光法であり、さらに通常照明よりも大きな回折光を瞳に取り込めることができる。上記方式は、解像力、デフォーカス裕度の向上効果がある。解像力については、λ/NA (λ:波長、NA :開口数) よりも小さい寸法での一次光の回折光は広がり、通常法では瞳からはじかれてしまい像形成できなくなるが、上記方法では、光の入射角を変えているため一次光も瞳に含まれ像形成される。このため解像力が向上する。デフォーカス裕度については、2光束干渉のため、ウェハ面上での光の入射角が通常法の3光束干渉よりも小さいため、デフォーカスに対する光学像の変化が小さくなり、デフォーカス裕度が広がる。したがって、外側の光を選択するほど、その効果が強くなる。問題点としては、パターン周期による依存性があり、パターン周期が低い、たとえば大パターンや孤立 パターンなどに対しては十分な向上がえられないことなどがある。これは、斜め入射させているため、0次と一次の回折光が光軸に対し斜めに入射しているため、パターン周期により光軸に対し非対称となる。これは、周期パターンによりマスクを通った光の回折角が変化するためである。また、斜入射照明の種類としては、主に変形照明、輪帯照明があり、形状は様々提案されている。これら斜入射照明は、解像度、焦点深度などの向上がえられる代わりに、多岐にわたるパターンに対してすべてに効果が上がるとは限らず、パターンによる特性のアンバランスが生じるため、目的に合わせて適用する必要がある。
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