半導体用語集

浅い接合

英語表記:shallow junction

半導体素子を製造する際に、不純物拡散によって形成した電極のうち、その深さが0.1 μm未満のものを指す。シリコンLSIではリソグラフィ技術やドライエッチング技術の進展に件い、今後もおおよそ3年周期で0.18μm、
0.13μm、0.1μm、0.07μm、0.05μm、0.035 μmと進展して行く予定である。この寸法の徴細化は横方向のものであるが、この微細化に併せて縦方向の徴細化を行わなければスケーリングのバランスが取れない。このために、接合を浅くするわけである。それぞれのサイズで典型的には、 70 nm、50nm、40nm、 30nm、20 nm、15 nmというサイズが提案されている。不純物には一定のエネルギーを与えて半導体基板に導入し接合を形成する。その際に不純物を高温状態にして熱的に拡散させるのが、「レーザドーピング」、「ドープドガラス拡散」、「固体拡散源ドーピング」、「固相拡散」、「気相拡散」などで、不純物をイオン化して電界で加速する方法が「イオン注入」、「プラズマドーピング」などである。室温で運動するエネルギーだけを利用するのが「室温気相ドーピング」である。
シリコンLSIの微細トランジスタ形成は現在ほとんどの工程がイオン注入で行われている。浅い接合を形成するためにはできるだけ低い電圧が必要であり、量産の効率を上げるためには大量のイオンをシリコン半導体に輸送する必要がある。時代とともに改善が進んでいるが、このこと自体イオン注入の原理上非常に困難である。さらに、シリコン半導体では、特にp型の浅い接合を形成することが難しい。これは,事実上使用できる不純物がホウ素(ポロン)だけに限られているからである。ホウ素は質量数の小さい元素であり、同じ電界で加速してもシリコンの表面から非常に深い部分へ侵入する。これらの欠点を克服する次世代技術が「プラズマドーピング」である。


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