半導体用語集

無塵衣

英語表記:cleanroom wear

 半導体製造ラインにおいて、人は発塵源そのものであり、清浄度維持・管理の点からは、無人化が望ましい。しかしながら、設備トラブルや設備メンテナンス作業時など、人が清浄度管理された部屋(以下、クリーンルーム)に必ず入ることになる。この時クリーンルーム入場者からの発塵を最小限に抑える狙いで着用されるのが無塵衣である。
 無塵衣からの発塵は、襟元や袖口から漏洩する“漏洩発塵”、無塵衣の素材を透過する“透過発塵”、素材から遊離した無塵衣自体からの“素材発塵”の三つである。無塵衣からの総発塵量を式に書き表わすと、次のようになる。
 T(総発塵量)=A(漏洩発塵)+B(透過発塵)+C(素材発塵)
発塵源の大きさは、一般にA>B>Cであり、無塵衣はこれら各発塵源を最小にし、かつ、着用の快適性なども考慮し、数々の工夫がなされている。以下無塵衣の特徴を述べる。
 (1)無塵衣の素材
 材質はポリエステルで糸1本の直径が10 µm程度、糸1本の長さは数kmといった極細の長繊維を用い、生地を高密度に織り込んでいる。
 これはパーティクルに対するフィル夕性を持たせるためである。また、静電気の発生を防止する上から、生地には導電性糸も織り込んであるのが一般的である。
 (2)無塵衣の構成
 一般的な構成として、フード、マスク、本体(つなぎ)、手袋、くつ下からなる。各パーツの着用の要否は、要求される清浄度レベルに依存し、清浄度の要求レベルの比較的高くない組立工程の場合、くつ下を着用しないケースもある。
 また最近は人体の露出部分をなくし、人体発塵を極限まで低下させた吸引タイプの無塵衣も各無塵衣メーカーから開発・発売されている。これはサブミクロンデバイス対応のニーズから出たもので、すでに半導体製造各社でも一部採用されている。
 (3)無塵衣の特性
 漏洩発塵や素材発塵などの防塵性ばかりでなく、作業性、快適性および審美性、着用性などの実用面での性能がよいこと、取り扱い、耐久性がよいこと、静電気障害が発生しないという制電性も必要である。
 (4)無塵衣の管理
 着用継続による汚れの付着や発塵量の増加など、清浄度確保のためにも、無塵衣は確実な管理(定期的クリーニングおよびほつれ破損の点検など)を行う必要がある。また、継続使用による素材劣化から防塵性も劣化するので、定期的な交換も欠かせない。
 以上、無塵衣の概要を述べた。参考まで図1、図2にそれぞれ非吸引タイプ、吸引タイプの一例を、表1に発塵量比較結果を示す。

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