半導体用語集

照射量補正

英語表記:dose modulation correction method

パターン密度の違いによる後方散乱 電子量の差を補正するように、パターンごとに最適な照射量を設定する近接効果補正を照射量補正という。パターン密度の小さい領域では領域内の後方散乱電子の寄与を補うように大きな露光量を設定し、 パターン密度の大きな領域にあるパターンには逆に少ない露光量を設定する。入射電子が形成する蓄積エネルギー分布はEID (Energy Intensity Distributi(n) 関数という複数のガウス分布の和で表わすことができるため、計算機を用いて、 パターンごとに最適な露光量を計算することができる。原理的には、パターン内の図形を行列で表記し、すべての図形において蓄積エネルギーが一定となるような逆行列を求めることによって、各図形に対する最適照射量の厳密解を求めることができる。しかしながら、パターン内図形数の増加に伴って、計算時間が長時間に及ぶことや、計算された最適露光量に振動や負の露光量が生じるため、計算の簡略化のために、逐次計算法や輪郭処理法などが考案されている。逐次計算法は、ある地点における周辺図形からの後方散乱電子の寄与を逐次計算して、パターンごとにパターン密度の関数で与えられる最適露光量を計算するものであり、輪郭法は図形の輪郭部分を抽出し、輪郭部分の露光量をパターン内部よりも大きくする方法であるが、現在では、逐次法が多く用いられる。逐次法の問題は、照射量設定の計算に長時間要することと、照射量を含むことによる描画データの増加である。このため、あらかじめパターン間の距離に応じて後方散乱電子の寄与をテーブル化したり、パターンを複数の小領域に分割し、小領域ごとに照射量を設定するなどして、計算時間の短縮やデータ量の圧縮を図っている。照射量補正は、露光が1度ですむため、スループットを重視する電子ビーム直接描画で多く用いられる。照射量計算は、あらかじめ計算機で行うのが主であるが、電子ビーム露光装置の制御回路自体に近接効果補正機能を持たせたものもある。


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