半導体用語集
片面研磨装置
英語表記:single side polisher
シリコンウェハはその仕様により、片面鏡面研磨ウェハと両面鏡面研磨ウェハの2種類がある。片面研磨装置はその名称どおり、ウェハの片方の面を研磨するような構造になっている装置で、片面鏡面研磨ウェハの研磨や、両面鏡面ウェハの仕上げ研磨に用いられる。
片面研磨装置は、一般的に研磨布を貼った定盤に対し、ウェハを直接あるいは間接的に固定した研磨ヘッドを押しつけ、相互に運動させることによりウェハの研磨布に接触している側の面を研磨する。ウェハの平坦度は最終的にこの精度で決定される。したがって、研磨装置および使用する定盤などの機械的精度と剛性は、できあがるウェハの精度に大きく影響する。また、鏡面研磨はスラリーを用いた湿式研磨であるので比較的低温ではあるが、摩擦による発熱を伴う。この結果、ウェハの温度、定盤の温度、ウェハを固定しているヘッドあるいはプレートの温度は加工中に変化してゆく。研磨装置でウェハの接する部分、すなわち定盤、ヘッドあるいはウェハを固定しているプレートには熱膨張係数の小さい材料が選ばれているとはいえ、加工中の温度変化により微妙に変形する。このため、最終的なウェハの平坦度を確保するためには、これらの構成要素部品は、加工中の温度でウェハが平坦に加工されるように、加工中の温度変化による変形を考慮して事前に形状を調整してやる必要がある。
装置的には片面研磨装置はいくつかのカテゴリーに分けることができる。ウェハの加工指数により、一度に(一つのウェハ固定ヘッドで)1枚のウェハを加工する枚葉研磨装置と、一度に多数枚のウェハを加工するバッチ式研磨装置に分けられる。これまで一般的に用いられているのはバッチ式研磨装置であるが、バッチ式では相対的に大きな装置、定盤、ヘッド、プレートなどが必要であり、ウェハの大口径化に伴い上に述べたような精度コントロールがより困難になることと、枚葉研磨方式にくらべて完全自動化への適合しやすさが劣ることから、枚葉研磨方式もシリコンウェハの量産工程に徐々に取り入れられてきている。
いま一つのウェハの扱い方による区分が、接着方式と非接着方式である。接着方式はその名のとおり、ウェハを接着剤で固定して加工する方式で、一般的にアルミナセラミックあるいはパイレックスガラス製のプレートと呼ばれる厚い円盤にウェハを接着し、これを加工ヘッドに固定して研磨する方式である。この方式はウェハを剛性の高いプレートに固定するため、研磨に際して平坦な研磨仕上がり面を機械的精度によって出しやすいという長所がある。反面、ウェハをワックスなどの接着剤で固定するために、研磨後には接着剤を除去するための特別な洗浄を行う必要がある。今日では接着剤には水溶性ワックスが多く用いられているが、以前はワックスには脂溶性のものが多かったために、洗浄に塩素系の有機溶剤が必要であり環境負荷が大きいという問題があった。
一方、非接着方式ではこのような接着剤を用いず、水による表面張力や真空吸着、あるいは粘着テープのようなもので固定する。非接着方式ではワックス除去に特別な洗浄は必要ない反面、接着剤を使う方式にくらべて、ウェハを固定する力が弱いために、加工中にウェハが外れたりずれたりしてウエハを傷つけてしまう不具合や、固定具合の再現性に劣るため十分な加工精度が出しにくいという問題点がある。しかしながら、接着、剥がし、ワックス除去洗浄といった工数が省けることと、環境への配慮の高まりにより非接着方式を採用する例も多くなっている。
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