半導体用語集

鏡面研磨

英語表記:鏡面研磨

一般的に用いられる鏡面加工仕上げこのシリコンウェハの仕様には、表面のみを鏡面研磨する片面鏡面ウェハと、表面裏面の両面を鏡面研磨する両面鏡面ウェハがある。国際的な半導体設備・材料業界団体であるSEMIおよび日本の業界団体である日本電子工業振興協会(JEIDA)の規格では、直径200mm以下のウェハは片面鏡面、直径300mmウェハは両面鏡面が標準仕様になっている。片面鏡面ウェハの鏡面研磨には片面研磨装置を用いるが、両面鏡面ウェハを作製する場合は片面研磨装置で表面、裏面をそれぞれ研磨する方式と、ラップ装置と同様の構造の両面研磨装置で両面を同時に研磨する方式がある。P鏡面研磨工程はシリコン研磨ウェハ製造工程の実質的な最終工程であり、ウェハ表面を鏡面研磨することでウェハを平坦・平滑にするのみならず、研磨加工に伴って加工歪層が残らないように加工する必要がある。このため鏡面研磨プロセスには物理的な研磨と同時に加工歪層を除去するための化学的なエッチングを進行させる化学的機械研磨方式(Chemical Mechanical Polishing)、 いわゆるCMP方式が用いられる。シリコンウェハの鏡面研磨では通常は研磨材にシリカ系の微粉末をアルカリ溶液に懸濁したスラリーを用いるが、この場合、機械的研磨過程をシリカ微粉末、エッチング過程をアルカリ溶液が受け持っている。
鏡面研磨では平坦化、平滑化、加工歪層の除去という性格の異なる複数の加工要素を完遂する必要があることか ら、通常は2ないし3段階の研磨を行い、形状制御面では平坦化→平滑化、研磨メカニズム的には物理研磨(形状制御優先)→化学研磨加工歪層除去優先)というように加工の重点要素を移してゆく。最終的にはウェハ全面の厚さばらつきで数μm以下にまで平坦化し、面粗さは原子間力顕微鏡(AFM)で測定した場合のRa値で1nm未満にまで平滑化する。この平坦さ・平滑さはシリコンウェハをプロ野球のスタジアムほどの広さに拡大して考えた場合、高低差数mm以内で、かつ地面の微小な凹凸を1km以内に仕上げることに相当する。


関連製品

「鏡面研磨」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「鏡面研磨」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。