半導体用語集

表面粗さ

英語表記:surface nucro-roughness

シリコンウェハの表面に3~4Å程度のミクロな凹凸があると、 その上に形成されたゲート酸化膜の耐圧が劣化する。これは酸化膜自体も凹凸になり、電界集中が起こるためである。またキャリアの表面移動度が低下し、電気特性が劣化する場合がある。 これらは酸化熱処理プロセスや洗浄プロセスが最適化されていないと、マイクロラフネスが大きくなり、つまり表面粗さが存在するためである。シリコン基板のミクロな品質、特に点欠陥にも関わる場合がある。表面粗さを評価するために走査型トンネル顕微鏡 (STM) や原子間カ顕微鏡 (AFM) が用いられている。STMは導電性の試料と金属の細い探針の間に電圧を加えてInm程度の距離まで近づけると、トンネル電流が流れる現象を表面粗さ測定に利用している。 このトンネル電流は両者間の微妙な距離の変化により大きく変化し、たとえば両者の距離が0.1nm増減すると、トンネル電流は1桁減増するので、試料の表面粗さを原子スケールで観測できる。AFMは絶縁体の試科に押しつけた針先の原子雲と試科の原子雲の間に働く反発力の輪郭を記録してミクロな原子レベルの表面粗さを観察する。
AFMではレーザ光を試料に接触させたカンチレバーに入射し、その振れに対応してすれた反射光の光路をダイオードで検出する。この光路のすれに対応してピエゾ素子を伸縮させ、フィードバック機構で試料の高さを調節し、表面形状として画像化する。
表面粗さの表現方法はいくつかある。peak-valley値は全断面曲線のうちおのおのの平均線に封する最大高さと最大深さの中で最も高い点と最も低い点の間隔である。Ra値は中心線平均粗さで、中心線からの距離の平均値を意味する。ここで中心線は波 形までの偏差の2乗和が最小になるように設定した直線である。Rrmsは2乗平 均平方根粗さを意味する。たとえば、熱酸化したシリコンウェハ(Si02膜厚100Å)のAFM像から、peak peak値で10Å、Ra値で約1Åがえ られる。



関連製品

ナノ表面粗さ・形状計測器「ナノセブン」

ツクモ工学株式会社

サブナノメートルレベルの表面粗さをより簡単に、より早く測定します

半導体製造装置・試験/検査装置・関連部品 › 検査装置 › 光学式微小寸法測定装置


関連用語

関連特集

「表面粗さ」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。