半導体用語集
直列系
英語表記:series system
信頼性の用語としての直列系は冗長性を持たず,構成要素のどれが故障しても全体としての機能が失われる系を指す。半導体デバイスはトランジスタ,配線といった構成要素の直列系である。
比較のために、構成要素が二つの場合を例に取り,直列系と冗長系の中でも最も簡単な並列冗長系(並列系)を説明する。図1(a)に信頼度RA(t),RB(t)の構成要素A,Bからなる直列系の信頼性ブロック図を記した。この直列系が故障しないでいるためには構成要素A,Bともに故障しないことが必要である。信頼度は確率であることと信頼度の定義(時間tまで故障しないでいる確率)から,この直列系の信頼度Rs(t)はRA(t)・RB(t)となる。並列冗長系は不信頼度F(t)で考えた方が単純である。図1(b)に不信頼度FA)t),FB(t)の構成要素A,Bからなる並列冗長系の信頼性ブロック図を記した。この並列系が故障するためには構成要索A,Bともに故障することが必要である。不信頼度は確率であることと,不信頼度の定義(時間tで故障している確率)から,この並列系の不信頼度Fs(t)はFA(t)・FB(t)となる。
半導体デバイスが構成要素の直列系であることから,前述の直列系の例でわかるように,半導体デバイス全体の信頼度はすべての構成要素の信頼度の積で表わせる。さらに,信頼度と故障率の関係から,半導体デバイスの故障率は構成要素の故障率の総和であることがわかる(「故障率」の項参照)。
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