半導体用語集

積層欠陥

英語表記:Stacking faults

結晶中に生じる格子欠陥のうちの面状欠陥の一つ。たとえば面心立方格子は、最密構造の(111) 原子面がAB-CABC...のように規則的に積層した構造とみなすことができるが、ABCA|CABC..のように原子面が1枚抜けたり、ABCA|C|BCABC...のように原子面が1枚余分に加わったりすることにより、積層順序が乱れる場合がある。このような部分を積層欠陥という。六方最密格子の場合には、ABABAB...のような規則的な積層構造が、積層欠陥により ABAB|CACA ..., ABAB|CBCB...やABAB|C|ABAB...のような積層順序を生じうる。積層欠陥は最密結晶構造に限らない。GaNの立方晶相(閃亜鉛鉱型結晶構造)は準安定相であるが、結晶成長時に(111)面に沿った積層欠陥が導入されると、安定相の六方晶相(ウルツ鉱型結晶構造)との混合物となる。これはABCABCAB|ABAB... AB|CABCABC...のような積層に相当する。積層欠陥は結晶成長時に導入されるばかりでなく、結晶が特定の原子面に沿ってすべりによる塑性変形を生じた場合にその面に沿って生じる。積層欠陥は最近接原子間距離を変えずに生じうるので、久陥に伴う弾性エネルギーの増加は一般に小さい。


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