半導体用語集

空間電荷層

英語表記:space charge region

半導体のキャリア濃度は、一般に、金属の自由電子濃度にくらべて小さいので、半導体内の電場を遮蔽する距離は金属にくらべて長い。したがって、pn接合界面、半導体へテロ接合界面金属・半導体接合界面,絶縁体・半導体接合、などの半導体界面並びに半導体自由表面には、空間電荷と、電場を持つ領域がある。このような界面に平行な層を空間電荷層と呼ぶ。たとえば、pn接合を形成すると、n型およびp型領域中の電子および正孔は互いに相手の領域に向かって拡散を始める。その結果、接合の境界付近では熱的再結合が盛んに起こり電荷中性条件が破れ、ドナーイオンとアクセプタイオンだけが残り、空間電荷層を形成する。この領域は、イオン化したドナーまたはアクセプタを中和するキャリア(電流を運ぶキャリア)が欠けているので、空間電荷層のことを空乏層と呼ぶ場合もある。
また、多数キャリアがイオン化不純物を中和する濃度を超えて蓄積している空間電荷層を蓄積層と呼ぶ。また、多数キャリア濃度以上の少数キャリアが集まっている空間電荷層を反転層と呼ぶ。蓄積層は、反転層にくらべて空乏層がないので、表面に垂直方向の電場は小さい。 しかし、低温では、反転層と同様に表面に垂直方向の運動の量子化の影響が現われる。


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