半導体用語集

結晶粒界

英語表記:Grain Boundaries

結品が単結晶ではない場合には、一般に方位の異なる単結晶の集合体とみなすことができる。同一の結晶方位を持った小領域を結品粒といい、物質の同一相の結晶粒と結晶粒の境界を結晶粒界または単に粒界という。結晶中に生じる面状欠陥の一つである。結晶成長において、異なる成長核から成長した結晶領域が合体した場合には、その接合面は結晶粒界となる。結晶粒界で接する一方の結晶格子が、粒界を含む軸の回りのある角度の回転により、他方の結晶格子に方位を一致させることができる場合、このような結晶粒界を傾角粒界という。小角度θの傾角粒界(小傾角粒界)は、回転軸に平行な刃状転移が一定間隔 D=b/θ(b:転移のバーガースベクトルの大きさ)で粒界に沿って並んだものとみなすことができる。傾角が大きいほど単位長さ当たりの刃状転位の数1/D=θ/bは増すので、結晶粒界に伴う弾性エネルギー(粒界エネルギー)は増大する。一方、結晶粒界で接する一方の結晶格子が、粒界に垂直な軸の回りの回転により、他方の結晶格子に方位を一致させることができる場合、このような結晶粒界をねじれ粒界という。小角度θのねじれ粒界は、粒界面に平行ならせん転位が同様に一定間隔で並んだものとみなせる。また傾角粒界とねじれ粒界の両方の成分を併せ持つ場合を混合粒界という。結晶粒界は結晶の熱処理(アニール、焼きなまし)や応力を加えることによって、移動する場合がある。結晶粒界は格子の応力分布により、不純物の拡散(粒界拡散)や析出(粒界偏析)を生じる原因ともなる。


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