半導体用語集
転位クラスタ
英語表記:dislocation cluster
CZ-Si結晶を低速で成長するとリング状積層欠陥(R-SF)が結晶内部に消滅し、このR-SFの外側領域には、過剰な格子間シリコンが原因で転位ル ープや転位クラスタが grown-in欠陥として発生する。引き上げを途中で停止して高温に保持した実験では、転位クラスタが導入される。したがって、 転位クラスタが形成される過程は次のように説明される。低速引き上げでは最高温部での保持時間が長いために、固液界面で優勢だった空孔は坂道拡散により消滅が促進されて、残留した格子間シリコンが優勢となり過飽和とな って、1,000°C付近で凝集してクラスタとして成長する。転位クラスタは TEMにより数µm の転位の集合であることが確認されているが、ライトエッチングやセコエッ チングによっても検出可能である。セ コエッチングではフローパターンを伴うピットとなり、密度は104~105 cm-3 との報告例がある。シンクロトロン放射光を用いたX線トポグラフィでも0.4mm/分の引き上げ速度で成長した結晶のgrown-in 欠陥の報告があるが、転位クラスタをとらえていると考えられる。転位クラスタや転位 ループはpn接合のリーク電流を増大させるため、デバイス形成領域には極力発生させないことが必要である。
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