半導体用語集
転位密度
英語表記:dislocation density
結晶中の転位の量を表わす物理量で,結晶の単位体積中に含まれる転位線の長さによって定義される。単位は [L]/[L³]=[L⁻²]となり,通常はcm⁻²で表わされる。転位線がランダムな方向を向いている場合には,結晶の任意の断面を横切る転位線の面密度にほぼ等しい。転位線は途中でとぎれることができないので,一部が不純物原子による固着などの理由によって動きにくくなると,残りの部分が運動して転位線は湾曲しその長さを増す。その結果,転位密度は増加することになる。これが転位の増殖の基本過程である。
簡単に転位密度を計測する方法として,エッチピット法がある。エッチピット法は,選択性の強い化学的研磨(エッチング)により形成される腐食孔(エッチピット)の密度を数えることによって行われる。こうしてえられたエッチピット密度(略して,EPD:Etch Pit Density)が転位密度と同義に使われている。化合物半導体においてエッチピットの観察によく用いられるのは,AbrahamsとBuiochiが考案したAB工ッチャント(AgNO₃:CrO₃:HF:H₂O₂=8mg:1g:1ml:2ml)や溶融KOH(300~400℃程度)などである。
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