半導体用語集

部分一括露光

英語表記:character projection

電子ビーム露光の最大の欠点であるスルーブットを向上させるため、 数μm単位で複数の図形を一括露光する方法を部分一括露光と呼ぶ。 セルフプロジェクション、キャラクタプロジェクション、ブロック露光と呼ぶこともある。繰り返しパターンの多い DRAMセル部に用いると効果を発揮するが、ランダムなパターンが多く介在するロジックにおいては効果が小さい。部分一括露光には、Siを用いたステンシルマスク (貫通/透過型マスク)が用いられる。このマスクは、SOIウェハの裏面をKOH水溶液による異方性エッチングやプラズマエッチングで開口し、薄膜部開口パターンを形成するものである。 加速電圧50kVのEB露光装置に対しては、膜部の厚さは20 4 mであるが, 数4μm の場合でも、アパーチャ下流に散乱された電子を制限する絞りを設けることで、使用することが可能となる。スループットの向上には、一括で露光できる領域の大きさを大きくすることや、 配置できる部分一括アパーチャの数を増やすことが必須となる。しかしながら、一括して露光する場合、ビーム電流の増加がクーロン効果によるビームボケを大きくしたり、焦点位置のすれが生じる。このため、ある加速電圧においては、一括露光できる領域の大きさはおおむねー定となる。このため、70~100kVの高電圧で露光を行い、一括露光できる領域の大きさを数十μmにすることも考案されている。また、一括露光とVSBとのつなぎ誤差 を小さくするため、ビーム調整技術や パターンの抽出するためのデータ変換 ソフトも重要である。


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