半導体用語集

高誘電率膜

英語表記:high dielectrics constant film

 誘電率がニ酸化シリコン(SiO₂) の3.8よリも大きい材料の総称。デバイスの微細化に伴い、
DRAM ( Dynamic Random Access Memory) のメモリセルのキャパシタに蓄える電荷を確保することが困難になってきており、これに対処するためには高誘電率膜をキャパシタ用絶縁膜に用いる方法が有効である。
 キャパシタ用絶縁膜としては、従来用いられてきたSiO₂に代わて、Si₃N₄(誘電率7.4)が用いられ始めている。Si₃N₄はSiH₂C1₂とNH₃を用いたCVD法により形成される。さらに Si₃N₄よりも誘電率の大きなTa₂O₅ (誘電率27) 、TiO₂(誘電率80 )、BST (Barium Strontium Titanium Oxide、誘電率 300程度) も検討されている。
 Ta₂O₅は斜方晶系に属する無色の固体でHFに溶解する。Ta₂(OC₂H₅) ₅とO₂を用い、 400~500℃の温度で減圧CVDにより形成される。成膜後は酸素雰囲気またはO₂プラズマ中でアニール処理を行うことにより、膜中の酸素欠損を補うとともに、膜中の炭素や水素などの不純物を除去する。同時に誘電率の確保に必要な、Ta₂O₅の多結晶化が進行する。Ta₂O₅のグレインサイズ、誘電率そしてリーク電流は、下地や上地の電極材料、さらには形成後の熱履歴に大きく依存するので、これらも含めたトータルプロセスとして技術を完成させることが大きな課題となっている。さらに薄膜化に件い、誘電率が低下してくることも指摘されている。BSTはぺロブスカイト型を有し、Ba (DPM)₂、Sr(DPM)₂、Ti (O-i-C₃H₇)₄、そしてO₂を用い、MOCVD (Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法で形成される。BSTの膜質もTa₂O₅と同様に、下地や上地の電極材料に大きく依存する。
 Siデバイスの素子寸法の縮小とともに、ゲート絶縁膜の薄膜化が必要となるが、膜厚が3 nm以下になると、ゲート絶縁膜を流れるトンネル電流が顕著になり、デバイス特性に影響を及ほすようになる。トンネル電流を抑制するために、熱窒化膜やTa₂O₅さらにはTiO₂ (誘電率80程度)などの高誘電率絶縁膜を酸化膜の代わりに使用する試みがなされている。ゲート絶縁膜に使用する場合には、キャパシタ用高誘電率膜に要求される誘電率の確保とリーク電流の抑制に加えて、Si基板との界面および膜中のトラップの発生を抑制することが大きな課題となっている。

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