半導体用語集
Si酸化
英語表記:Silicon Oxidation
Siの酸化は基本的には次の反応式による。
Si(固体)+02(ガス) → Si02(固体)
Si(固体)+2H20(ガス) → Si02(固体)+2H2(ガス)
酸化種は原子状酸素あるいは水酸化シリコン基(シラノール)であり、すでに成長した酸化膜を通り抜けて、Si界面に達し、Si との反応が起こる。この時、Si基板にはSi空孔 (Sivacancy)が、また酸化膜には格子間Si (Si interstitial) が介在する。成長する酸化膜厚さに対して約0.44倍のSiが消費される。これはSi基板に引っ張り応力を発生させ、酸化膜には圧縮応力を発生させることになる。 Si熱酸化膜に構造が近い溶融石英中のそれぞれの拡散係数は以下で示される。熱酸化膜の値もこれらに近い。
D(酸素) = 2X10-9×exp(-1.26(eV)/kT)(cm2/s)
D(水酸基) = 1×10-6×exp(-0.794(eV)/kT)(cm2/s)
酸化反応に影響する他の因子として酸化種の濃度勾配、圧力、電界、 不純物の存在、酸化膜の欠陥、ストレス、Si結晶の方位および導電性などがある。 酸化前のSi表面清浄度も重要である。Siの熱酸化過程は、広い条件範囲でDea-Groveのモデルにより記述できる。 酸化種の表面吸着、酸化膜中の拡散、界面における反応である。酸化膜が比較的薄い時は界面の反応が成長を律速する。膜が厚くなると酸化種の拡散が律速する。また、酸化膜がきわめて薄い時は、Mott-Cabreraのモデルが適用される。すなわち、酸化膜に吸着した酸化種とSi基板との電位が一致するように電子がトンネル効果で移行し、イオン化した酸化種が発生した電界でドリフトすることで、酸化が進行する。熱酸化法で成長したSi酸化膜の構造は、Siイオンの周りを正四面体に四つの酸素イオンが取り囲んでいる基本構造からなるアモルファス構造(シリカ)である。SiーO原子間距離は1.6Åで、O-O原子間距離は2.27 Åである。代表的なアモルファスシリカの密度は2.21g/cm3である。
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