半導体用語集

ダイシング装置

英語表記:Dicing Equipment

 半導体素子が作り込まれたシリコンなどのウェハ(wafer)を個々のダイ(die)に切断,分割する装置。単にダイサ(dicer)ともいう。ダイシング工程は,ウェハ工程と組立工程の中間に位置づけられる。
 ウェハを個々のダイに切断,分割する方法は,ブレードダイシング法(blade dicing),ダイヤモンドスクライビング法(diamond scribing),レーザスクライビング法(laser scribing)などがある。現在では品質,生産性,コスト面から,ブレードダイシング法が主流である。したがって,ダイシング装置といえば,ほぼこのブレードダイシング法を指す。分割後の処理を容易にするために,ウェハはウェハシート(wafer sheet)でテープフレーム(tape frame)に貼りつけた状態で供給される。
 加工原理は,外周にダイヤモンド砥粒を電着した幅0.02~0.05mm,外径2インチ程度の円板型の極薄切り刃(ブレード,blade)を約30,000~40,000rpmで高速回転させ,切削水下で約50~100mm/secの切削速度で連続的に切断する。
 装置構成は,ウェハを供給,収納する搬送部,ウェハアライメントする認識部,ブレードを高速回転させるスピンドル部,ウェハを保持するウェハステージ部,切削後に洗浄する洗浄部などからなる。スピンドル部はz軸,ウェハステージ部はX-Y-θ軸を搭載しているのが一般的である。全自動ダイサでは,フレーム力セットからのウェハ取り出し,ウェハ位置決め,ダイシング,洗浄,乾燥,収納までの一連の工程を全自動で処理する。
 ダイシング装置の課題は,今後本格化する大口径化(300mmウェハ),ウェハ薄型化への対応がある。特にウェハのそりの問題があり,品質の向上とともにハンドリングの信頼性向上が課題である。
 最近,前工程を中心に300mmウェハ化に伴う標準化がI300I(欧米)/J300(日本)間で進められ,後工程関連装置も1998年12月にテープフレーム,フレームカセットの標準化と,装置のガイドライン(Global Joint Guidance)が発表された。


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