半導体用語集

チャネリング

英語表記:channeling

規則的な原子配列を持つ単結晶の中で、イオンが原子列の隙間に沿って走行すると、イオンは原子の散乱 (核阻止能) を受けにくくなり、電子阻止能による減速のみを受けながら非晶質材料の場合の数倍の深さにまで侵入する。このような現象をチャネリングという。チャネリングが起こった場合、イオンの分布はLSS理論から大きくはずれる。チャネリングの生じる臨界角は次式で表わされる。



ここで、Z1、Z2は基板原子および注入イオンの原子番号、Eはイオンの注入エネルギー、dは基板原子の原子配列間距離である。チャネリング効果を積極的に利用するためには、単結晶基板への注入イオンの入射角を厳密に制御しなければならず、再現性を確保することは困難である。したがって、特別な場合を除いて、イオン注入ではチャネリングを避けるために、イオンビームに対する基板の向きを結晶の主軸から7~8°傾ける。薄い酸化膜などを通してイオン注入を行う、あらかじめ基板に非晶質層を形成するプリアモルファス化を行う、などの手法が取られる。


関連製品

「チャネリング」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「チャネリング」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。