半導体用語集
メカトロニクス
英語表記:mechatronics
エレクトロニクス(electronics ; 電子工学)とメカニクス(mechanics ; 機械工学)の合成語であり、明確な定義もなく、一般に認知された言葉ではないが、電子、電気、機械業界ではすでに一般的な用語となっている。従来、機械機構によりえていた動作を電子制御技術を取り入れることにより、より高精度、高信頼度制御で駆動することが可能となる。
そのため、電子・機械機構の総合システムに関わる制御・駆動技術、電子制御と機械部品のインタフェースに関わる技術、機械位置や速度のセンシングや変換に関わる技術などをカバーする新たな技術ジャンルとして、メカトロニクスは生まれたといってよいだろう。
具体的には、磁気や光センサによって、機械位置や速度を変換器により回路に取り入れ、基準となる信号との比較や必要な制御・演算を施したうえで出力し、その信号によりモータやアクチュエータなどの機械動作へ変換するための一連の制御、駆動、インタフェースに関わる技術の総称である。
応用分野としては小型から大型までモータの回転数制御、各種アクチュエータに必要なトラッキングおよびフォーカシング動作など、高精度かつ高信頼度が必要な電気制御信号から機械動作への変換に関わる制御、駆動、インタフェース、センシング技術がある。
HDD、CDおよびDVD-ROM用などPC周辺機器、オーディオ機器、ビデオ機器、自動車に利用される小型モータ、アクチュエータからロボット、FA機器、列車、エレベータなどに利用される大型誘導モータの制御などまでその応用範囲は広い。
たとえば、民生機器においてはオーディオ用CDに利用されるスピンドルモータのCLV(Constant Linear Velocity ; 制御・接線速度一定サーボ)や、 レーザ光を正確にディスク上のピット列を追従させるためのヘッドアクチュエータの制御、VTRのキャプスタンおよびヘッドモータの回転数制御に利用されるCAV(Constant Angular Velocity ; 角速度一定サーボ)制御のPC関連機器では、HDDのスピンドル制御やヘッドアクチュエータの制御、また制御機器においては誘導モータのベクトル制御による高速精密位置決めや、機械、NC旋盤による高精度切削加工機器などにメカトロニクス技術が利用されている。
そのためメカトロニクスの分野においては、ロータや切削用刃の機械的位置や回転数を検出する光や磁気センサ、そしてレーザダイオード、センサからの信号をA-D変換(場合によりD-A変換あるいはデジタル信号のまま入力)してシステムに取り込むA-Dコンバータ、A-D変換された信号を取り込み、必要な処理を施す制御回路には高位マイコン(RISCあるいはCISC)やDSP、制御回路からの信号によりモータやソレノイド、各種アクチュエータを駆動する駆動回路には、IGBTやパワーMOSFETなどパワー半導体が利用される。
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