半導体用語集
大電流
英語表記:beam current
描画に用いる電流が大きいことを大電流という。電子ビーム描画装置において達成できる最大スループットTは、オーバヘッドを除くと、次式で表わすことができる。
T∝I/Q
ここで、Qは:電荷量、Iは電流量である。したがって、より大電流で描画が可能となるほど、描画装置は高い生産性を実現できることがわかる。しかしながら、電流量の3/2乗に比例してクーロン反発によるビームのボケが大きくなるため、解像性が劣化する。解像性とスループットが両立する電流量で電子光学系が設計される。可変成形ビーム方式と部分一括露光方式とを組み合わせた描画装置では、1ショット5 μm内に1μA程度の電流量で、100nm程度の解像性と1時間当たり数枚~ 10枚のスループットを実現することができる。これに対しSCALPEL方式の描画装置では、クローン反発によるビームのボケを抑えて1ショット250μm内に30μA電流量を流し込むことができ、解像性80nmと1時間当たり30枚程度のスループットとを実現できるとして期待が持たれてい る。
関連製品
「大電流」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。