半導体用語集
有機系
英語表記:0rganic type
多層配線の層間絶縁膜として高耐熱性の有機系塗布絶縁膜、特に回転塗布によるシリコーン系樹脂(Silicone。 代表的材科は有機シロキサン系の SOG)膜の形成が広く用いられている。低応力で400~450℃の熱処理によってもクラックを生じないこと(耐クラック性)が重要である。樹脂の溶液を回転塗布し、100~450℃の熱処理を行うことによって重合を進行させて所定の膜とする過程で、一部のSOG材料には流動性(リフロー)を示すものがあり、多層配線の層間絶縁膜形成の際に窪みの埋込性(gap filling)や表面平坦化に適用している1)。リフロー効果は主に中間程度の温度領域 (140~200℃)で発生する。ただし、有機系SOGは酸素プラズマアッシング(レジスト除去などに用いられる)処理によって有機成分が酸化され、膜質が劣化するために、プロセス条件が制約される。この対策として熱処理後は無機Si02膜となる材料(ポリシロキサンなど)も用いられるようになった2)。なお、有機SOGなどの材料は比誘電率が2.5~3と低いため、ULSI高速化のために低誘電率の多層配線用層間絶縁膜技術として用いようとする検討も行われている。
参考文献
1) T. Furusawa et al : Dig. Technical Papers VLSI Technol. Symp., p.59 (1995)
2) T. Nagashima et al : Proc. VMIC, p.217 (1993)
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