半導体用語集

標準化

英語表記:standardization

 製品の性能,品質,外形寸法,試験方法,製造方法などに関する取り決めを作成すること。
 標準化された共通の用語や規格を用いることにより,製品ごとに個別の仕様取り決めを行わずとも,生産者側とユーザー側との取引を円滑に行うことができ,生産者および消費者の双方に利益をもたらすことができる。現在は国際的な流通が自由化され,技術内容の世界共通化の観点からも,特に工業関係の標準は国際的に通用することが重要となる。このような標準のことを国際標準と呼ぶ。国際規格の代表例はISO(International Organization for Standardization, 国際標準化機構)やIEC(International Electrotechnical­ Commission, 国際電気標準会議)である。ISOは,電気,電子分野以外のすべての分野に関する規格であり,IECは電気技術のすべての範囲を含む規格である。
 パッケージの標準化という場合,広い意味では,一企業内における組立プロセス条件や材料の標準化なども含まれるが,通常は最も基本的なパッケージ外形形状寸法の標準化を意味する。従来から企業は競争に勝ち抜き,自社製品がデファクト標準となることを目指してきた。しかし1995年にWTO(World Trade Organization, 世界貿易機関)のTBT協定(Technical Barrier to Trade Agreement, 貿易の技術的障害に関する協定)の締結により,WTO加盟国は,国際規格を基礎とした強制力のある規格を作成することを義務づけられた。これにより,製品などが規格に適合していないと強制法違反となり,今後は国際規格と無関係に企業活動を行うことは困難になると考えられる。たとえば,日本におけるJIS(Japan Industry Standard)のような,各国の国家規格についても,原則としてISO,IECに整合することで合意されている。
 パッケージの標準化活動は,国内では,業界が自主的に設立した任意団体であるEIAJ(Electronic Industries Association of Japan, 日本電子機械工業会)の中に,半導体パッケージ標準化委員会が存在する。この中で国内のICメーカー,ソケットメーカー,セットメーカーが参加し,パッケージ標準規格類が作成されている。また米国では,業界団体のEIA(Electronic Industries Association)の中に,半導体部門として,JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council, 電子デバイス技術委員会)が組織されている。半導体外形規格に関しては,JEDEC Publication 95という分類の中で,MS(Microelectronic Standard Outlines)およびMO(Microelectronic Outlines)という名称の規格が作成されている。


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