半導体用語集

DECT

英語表記:Digital Enhanced Cordless Telecommunication

 DECTは、1992年にヨーロッパで導入されたデジタル無線アクセス方式である。DECTは周波数資源を効率的に利用した規格で、家庭やオフィスにおけるコードレス電話や、コードレスPBXなどのアプリケーションを提供するため、ETSI(European Telecommunication Standards Insti­tute)によって規定された。DECTを採用したコードレス電話機は1,500万台以上利用されており、DECT規格そのものも、世界40ヶ国以上で採用されている。DECTは2000年にはヨーロッパ西部における家庭用無線技術の主流になると考えられている。
 DECTは周波数資源を効率的に利用するマイクロセル無線通信システムである。表1にその規格概要を示す。 DECTは無線アクセス方式としてTDMA(Time Division Multiple Access)とTDD(Time Division Duplex)を使用しており、1台の親機で多数の子機がサポート可能で、かつ子機同士をトランシーバとして使用することも可能である。
 DECTなどのデジタルコードレス電話機に使用される半導体は、無線部の高周波回路に使用されるRF(Radio Frequency)ICと、音声信号や通信プロトコルを処理するための BB(Base Band)-LSIに大別される。ここでは、BB(Base Band)-LSIについてのみ解説する。
 BB-LSIは複雑な通信プロトコルを処理し、かつデジタル信号処理を行うため、比較的他のLSIより高集積度が要求され、かつ電池駆動のため、低消費電力のパフォーマンスが要求される。この高集積度・低消費電力の要求を同時に充たすためにBB-LSIはCMOSプロセスで製造されている。BB-LSIの機能および回路構成要素を以下にあげる。
 CODEC(Coder Decoder):音声を符号化/復号化する機能。
 ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation):符号化復号化された音声信号を、送信時には圧縮し、受信時には伸長する機能。
 A/D(Analog to Digital)コンバータ:アナログ回路によって取り込まれた電波強度信号などをデジタル化する回路。
 D/A(Digital to Analog)コンバータ:デジタル回路によって処理された音声信号や、RFICへの制御信号をアナログ信号に変換する回路。
 BMC(Burst Mode Controller):デジタル音声信号や通信制御用データを間欠的に、必要なタイミングで送受信するための機能。
 MPU(Micro Processing Unit):マン・マシンインタフェースや無線通信プロトコルを、ファームウェアにて実現し、かつ前述の機能を統括するためにマイコンが内蔵されている。ISDNへ接続可能な高機能電話機を実現するためにRISCマイコンを採用する場合もある。

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