半導体用語集

アンダーフィル

英語表記:underfill

 フリップチップパッケージにおける樹脂封止工程,および樹脂封止箇所を総称してアンダーフィルと呼ぶ。ワイヤボンディグやTABといった従来の接続技術を用いたパッケージでは,モールドやポッティングにより樹脂封止するのに対し,フリップチップパッケージでは,チップと基板の間隙部をアンダーフィルにより封止する。
 アンダーフィルの主要目的は.チップと基板とのバンプ接続部の補強である。チップと基板の熱膨張係数の差により発生する熱応力を,接続部に集中させないためである。フリップチップでは,はんだ接続が一般的に使用されるが,はんだ接続部は特に応力によるダメージを受けやすく,アンダーフィルが必要となる。アンダーフィルは,その他に大気中の水分からパッケージを保護する機能も有する。
 アンダーフィルの一般的手法は毛管法であり,製造工程は,液状樹脂をチップの1辺もしくは2辺から塗布し,樹脂を毛細管現象を利用した自然注入により充填後,オーブンなどで加熱し樹脂を硬化させて完了する。毛管法での充填中は,パッケージを昇温させ(通常60~80℃),樹脂の粘度を下げることで.充填時間を短くする。
 アンダーフィル材には,エポキシ樹脂が広く用いられる。樹脂物性で重要な熱膨張係数は,樹脂中に混入するフィラー含有量を変化させることでコントロールできる。熱膨張係数を下げるにはフィラー含有量を増加させればよいが,逆に樹脂の粘度は増大し充填性が低下する(一般に70wt%で流動性が低下する)。通常,市販されているアンダーフィル材は,50~60wt%のフィラー量のものが多い。
 アンダーフィル技術は,チップと基板間の間隙への自然注入のため,充填時間が長いという問題を持っている。最近では,充填性を向上した強制注入方式などの生産性を考慮した方式が開発されつつある。


関連製品

「アンダーフィル」に関連する製品が存在しません。

会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。