半導体用語集

フリップチップボンダ

英語表記:flip chip bonder

 フリップチップ接続を実現するボンディング装置。フリップチップ接続は,バンプを形成した半導体チップ表面と,パッケージ基板または実装基板(以下,単に基板と呼ぶ)の配線パッド電極を直接に接続する。
 フリップチップ接続方式は,バンプの種類,アンダーフィルの種類などにより,数種類に分類できる。したがって,フリップチップボンダの種類も数種類ある。また,フリップチップボンダの前後の装置も異なる。
 本項では,代表的なフリップチップ接続方式である,C4(Controlled Collapse Chip Connection),FCA(Flip Chip Attach),ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)を例にして,構造,工程,装置,フリップチップボンダを説明する。

 (1) FCA,C4の構造・工程・装置,フリップチップボンダ
 FCAは,バンプを用いて接続する方式であり,特にはんだバンプを用いて接続する方式をC4と呼ぶ。なお,C4はCCB(Controlled Collapse Bonding)とも呼ぶ。
 C4の構造を説明する。はんだバンプの構造は,はんだバンプ/バリアメタル/パッド金属である。具体的な材料は,たとえば,Sn-Pb/Ti-Ni-Pd/Al-Cuなどである。はんだバンプはSn-Pbで一定だが,バリアメタル,パッド金属の種類は種々ある。さらに,基板の配線パッド電極の構造は,基板として広く使用される代表的なPCB(Printed Circuit Board)を例に取ると,はんだ/バリアメタル/配線金属である。具体的な材料は,たとえば,Sn-Pb/Ni/Cuなどである。
 C4の工程は,フラックス供給,フリップチップ接続,リフローである。さらに,使用する装置は,フラックスを塗布する印刷機,フリップチップ接続するフリップチップボンダ,接続したはんだを溶融させるリフロー炉である。最後に,自然冷却によって溶解したはんだが固化し,フリップチップ接続が完成する。
 C4工程で使用するフリップチップボンダは,供給部(搬入部,投入部,ローダ部,インプット部ともいう),認識部,加工部,搬出部(アンローダ部,アウトプット部ともいう)から構成される。
 供給部で,半導体チップをトレイまたはウェハ状態で供給し,基板をトレイで供給する。次に,認識部,加工部で,半導体チップの表裏を反転し,半導体チップと基板を位置合わせし,転写方式または塗布方式(ディスペンス方式ともいう)でフラックスを供給し,荷重とともにフリップチップ接続(ダイアタッチ,マウントともいう)する。最後に,搬出部で,フリップチップ接統後の基板を搬出し,次工程でリフロー,洗浄する。

 (2) ACFの構造・工程・装置,フリップチップボンダ
 ACFの構造は,バンプとアンダーフィルを一緒にシート状態になっている。すなわち,熱可塑性または熱硬化性の樹脂内に導電性の微小な粒子を分散させてシート状にする。
 ACFの工程は,バンプと基板の間にACFを挟み,上下から加熱,加圧する。ACFの樹脂が軟化し,導電性粒子が接触する。最後に,バンプ,導電性粒子,基板間が電気的に接続し,フリップチップ接続が完成する。
 ACF工程で使用するフリップチップボンダを説明する。
 ACF用フリップチップボンダの構成は,C4用フリップチップボンダと同様に,供給部,認識部,加工部,搬出部の四つである。供給部,認識部,搬出部は,ACF用はC4用とほぼ同じ構成だが,加工部が異なる。ACF用フリップチップボンダではフラックス供給の工程がない。
 供給部で,半導体チップと基板を供給する。次に,認識部,加工部で,パルスヒート,コンスタントヒートなどの加熱ツールによって,バンプ,ACF,基板を仮圧着し,キュア後に本圧着する。なお,ACF用フリップチップ工程では,リフロー,洗浄などの工程はない。



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