半導体用語集
エピタキシャル成長装置
英語表記:epitaxial growth systems
エピタキシャル膜を形成する装置。 エピタキシャル成長は、その成長方法により固相成長(solid phase epitaxy)、液相成長(liquid phase epitaxy)、気相成長(vapor phase epitaxy)に分類できる。固相成長は単結晶上に形成された非晶質膜を熱処理、光照射、あるいは電子ビーム照射により単結晶化する方法、液相成長は成長させる材料を過飽和に含んだ溶液中に基板を浸漬して単結晶を成長させる方法、気相成長は単結晶させる原子を含む気体状物質を加熱された基板上に供給し単結晶成長させる方法である。成長方法により異なる装置が使用されるが、ここでは半導体製造に広く使われているSi/Siの気相エピタキシャル成長装置について述べる。
装置は基本的にガス供給系、反応炉、排気系、制御系により構成される。反応炉形状によりバッチタイプである横型、縦型、シリンダ型、クラスタ型、および枚葉型に分類でき、装置によりエピタキシャル成長膜特性も異なる。反応炉はその内部で反応をさせるベルジャと呼ばれる反応管、加熱系、ウェハを保持するサセプタ、原料ガスをウェハ上へ導入するガス導入系で構成される。横型炉は最初に実用化された装置であるが、膜厚均一性、生産性に劣り、現在ではほとんど使用されていない。縦型は膜厚均一性、抵抗制御性に優れ、ディスクリートデバイス用エピウェハの製造に適している。反面、高周波誘導加熱によるウェハ裏面からの加熱のため、スリップが発生しやすい、ウェハをサセプタ上に平面保持するためLPDなどの表面欠陥が多い、などの欠点がある。シリンダ型は石英ベルジャ内の円錐角台状のサセプタにウェハをほぼ垂直保持し、ベルジャの外部に設置された赤外ランプでウェハ表面側から加熱する。ウェハ面内温度均一性に優れ、スリップが発生しにくい、垂直保持のため表面欠陥が少ない、などの利点があり、6"⌀以下のMOS LSIデバイス用エピタキシャルウェハの製造に用いられている。欠点は、エピタキシャル膜厚分布特性が縦型より劣る、構造が複雑で保守に時間がかかるなどの点である。クラスタ型は、生産性を向上するために開発された大量処理型炉で、1回の処理で50枚のエピタキシャルウェハの製造が可能である。加熱方式は高周波誘導加熱と赤外ランプの併用で、装置が複雑で保守が困難、大量のH₂が必要など、大量チャージの割にランニングコストが下がらないという問題も指摘されている。また、エピ膜特性は縦型、シリンダ型に比べ、ウェハあたりの顕著な改善がえられず、量産での使用は限られているようである。
200mm⌀以上の大口径ウェハに対し、バッチ式とは異なるコンセプトで開発された装置が枚葉式である。枚葉式はバッチ式とは異なり、エピタキシャル成長サイクルの短縮により、生産性向上を達成している。枚葉式では、ロードロック方式、急速昇降温、自動搬送、高速成長などの技術の採用により、1エピタキシャルサイクル時間をバッチ式の ~1/10 以下に短縮しており、200mm⌀ウェハで 〜10枚/hr の生産性がえられている。枚葉式のため、膜厚均一性も格段に向上し、ばらつきはバッチ式の ~1/3 以下である±1~2%が実現されている。また、ロードロック、自動搬送のため、ライフタイム向上、LPDなど表面欠陥が少ないなど結晶品質にも優れる。これらの特性は、今後ますます微細化され、高品質結晶性、ウェハの高平坦度性を必要とする先端MOS用エピタキシャルウェハの製造に適している。枚葉式では300mm⌀ウェハ用エピタキシャル装置の開発も進められており、今後とも主流になる装置であろう。
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