半導体用語集

収差

英語表記:aberration

収束イオンビーム形成や縮小転写イオンビーム光学系で使われる回転対称 (ビームが走行する軸の周りの回転対称)電界型レンズは、通常の光学システムと同様に、理想的な結像レンズ特性を意味するガウス結像と、これから外れた軌道を示す収差項で理論的に定式化することができる。近軸軌道からのすれによる収差は、幾何収差とも呼ばれ、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲収差、歪曲収差の5項が生じる。これらの幾何収差に加えて、ビームの波動性によって生じる回折収差、およびビームの持つ運動エネルギーの分布による色収差が、主たる収差項となる。ただし、イオンビームの場合には、ド・ブロイ波長が短いため、ほとんどの場合、回折収差は無視できる。集束イオンビーム形成では、イオン源の仮想光源像を試料面上に結像することになり,特にビーム直径のボケには、球面、色収差が主として寄与することになる。一方、マスクパターンを縮小投影する転写型光学系では、これら二つの収差は解像力に影響し、コマ、像面湾曲、歪曲収差は、マスクパターンをどれだけ忠実に縮小結象するかに影響する。なお、非点収差は、 8極子レンズにより補正可能である。また、ビームの偏向器においても、同様の収差が発生するので注意を要する。


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