半導体用語集

炭素

英語表記:carbon

市販のCZ法による単結晶に含まれる炭素は、Ar減圧雰囲気で育成されるため、0.05ppma程度あるいはそれ以下である。CZ結晶中の炭素濃度は、引き上げ機内の雰囲気のCO濃度に関係する。カーボン部材のSiCコートによって、ホットゾーンからのCOの発生を抑制し、またArガスを整流化して、COガスがシリコン融液表面に逆流しないようにしている。結晶中に炭素が注入すると、(1)酸素析出を増速、(2)ニュードナーの形成、(3)デバイスプロセス中の欠陥発生が進むことが知られている。0.2ppma以上の炭素では酸素析出が増速する。結晶中の炭素の存在により、サーマルドナーが抑制され、650℃~750℃で炭素と結合して、ニュードナーを形成する。置換型の炭素の原子半径(0.077nm)は、Si(0.117nm)より非常に小さいため、過剰な格子間型シリコンが発生し、デバイス部に転位ループやOSFを発生させ、デバイス特性を劣化させる。成長速度のラムによって形成される添加不純物ムラは、ドーパントストリエーションとして観察される。その時、偏析係数が小さい不純物ほど、そのムラは強くなる。炭素の偏析計数は0.07で小さいため、非常にムラが大きくなる。置換型炭素原子の半径は母相のシリコン原子より非常に小さく格子が大きく歪んでいる。この2点の相乗効果により、炭素ストリエーションは、大きな歪みを持ち、はっきりとした濃淡ムラとして、選択エッチングやX線トポグラフ法で観察される。


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