半導体用語集

薬品

英語表記:chemicals

 半導体製造プロセスでは、洗浄用、エッチング用、リソグラフィ用、拡散・成膜用の薬品が多量に使用されている。
 近年、微細化に伴いドライプロセスの割合が高くなってきてはいるが、スループットが高いこと、ウェハヘのダメージが少ないことから低コストなウェットエッチング技術は依然幅広く使われている。
 薬品中の不純物(Al、Ca、Mg、Na、Kなど)レベルは、薬品によっては1ppb以下の含有率までに高純度化が可能となっているものもある。パーティクルも0.2µm以上の総粒子が<50個/mlを保証するまでに至っている。
 これらの仕様を満足するには、薬品の製造技術はもとより高品質を保つための方法、装置の工夫がなされている。また、容器の構造、材質、耐薬品性や分析・評価技術の総合的な向上が不可欠であることはいうまでもない。

(1)洗浄
 ウェハ製造プロセス、半導体製造プロセスにおいて各種洗浄液が使われている。その目的は、ウェハ表面汚染物・吸着物の除去や切断、研磨の加工工程で発生する加工破砕クズやスラリーの除去などである。
ⅰ)熱処理を伴う工程(酸化、拡散、CVDなど)においてはウェハ表面に汚染物が残留していると、基板内部にまで拡散し集積回路の電気特性を著しく劣化させる危険がある。したがって上記熱処理工程においては特に前処理(洗浄)が必要となる。金属汚染は、H₂SO₄/H₂O₂、HCl/H₂O₂などの酸系の混合液やその組み合わせにより除去が行われている。パーティクルなどの物理吸着に対しては、RCA洗浄(NH₄OH/H₂O₂/H₂O)が有効であり、ブラシスクラブ、超音波洗浄などと併せて使用されている。このため洗浄工程で使われている上記薬品は、特に他の半導体用薬品以上に高純度化、高清浄化が求められている。
ⅱ)油、ワックス、レジストなどの除去のためには各種有機溶剤(メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールなど)が使用されるが、ウェハ表面に残った分子層レベルの除去は困難なため、最終的には上述した酸系の洗浄で除去が行われている。

(2)エッチング
 半導体製造プロセスではSi基板の他、各種絶縁膜、配線材料が使われている。これらを微細加工、または全面除去するためには用途に応じた薬品が用いられている。一般にウェットエッチングでは、水平方向と深さ方向のエッチング速度がほぼ等しいため、加工精度はドライエッチングにくらべ劣る。エッチング特性の安定化(経時変化、温度安定性)を図るためにエッチング温度、組成の検討、PH緩衝剤の添加などの工夫が行われているが、微細加工を目的とした用途はドライプロセスに変わりつつある。

(3)リソグラフィ
 半導体の製造は、リソグラフィ工程の繰り返しにより構成されている。レジストは光照射により現像液に対して不溶化するネガ型と可溶化するポジ型の2種類がある。高集積化の進展に伴い光源は短波長のものを使う方向であり、光源に応じたレジストの開発が行われている。レジストの適正条件としては下地膜との密着性、耐エッチング性、解像力、感度など様々であり、すべてを満足するものは少ない。このため使用目的に応じた使い分けが必要である。

(4)拡散・成膜用薬品
 この他に半導体素子形成に不可欠な拡散材としてオキシ塩化リン(POCl₃)、三臭化ホウ素(BBr₃)などの液体ソースも製造され、液体ガス化拡散法による安定したウェハヘの不純物拡散を可能にしている。また、塗布型の低誘電率材料は、成膜用薬品として塗布液化したポリマーを基板上に塗布、乾燥(焼成)することで膜をえるものでCVD法にくらべ、ポリマーの種類が豊富でプロセスが容易、コストが安いなどのメリットがあり、今後の微細化による配線間容量の増大を回避する有望な手段の一つになっている。

 半導体産業の成長に伴い、各種薬品の使用量も増加傾向であり、環境への配慮として薬品使用量の削減のために新しい洗浄方法の開発や薬品の性能の向上を図ったり、廃液の再利用方法の開発が進められている。


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